2024.1.26 金曜日
【そのお仕事に必要な商標は「コレ」です】イベント/フェス(主催者)がとるべき商標とは?(その3)【商標登録】
(本稿の【序章】及び【パターン1】はこちらをご参照ください)
https://logoto-r.com/1159/
(本稿の【パターン2】はこちらをご参照ください)
https://logoto-r.com/1170/
【パターン3】「商標登録せずに、数年/数回実施したけど、特に問題は起きていませんが?」という段階の場合
既に数年/数回実施されているイベント等であれば、そのジャンルや地域においては、だいぶ認知が進んでいることが想像されます。
しかし、商標出願をしないまま使用していることは、まだまだ他者によって先に、同一又は類似する商標を、第41類のイベント等に関する指定役務と重複する範囲で、出願されてしまうリスク=
他者に商標権を取得されてしまうリスクが、残っている
とお考えください。
というのも、確かに商標法では
- 「未登録でも、周知となっている商標があった場合、それと同一又は類似の(他人)の商標の登録は認めない」とする規定(同法4条1項10号)や、
- 「他人が商標登録してしまっても、その出願の前から継続して使用し、周知になっていれば、その範囲での使用を認める【先使用権】」の規定(同法32条の2第1項)
など、先に商標を使用していた者を保護する規定はあるのですが、
ここに出てくる「周知」性の要件はとても高く、場合によっては使用されている地方(例:関東)で周知であっても足りず、
全国レベル(それもお茶の間レベル)の周知性が求められることもある
のです。その上、その未登録商標の
周知性の”証明”はとても大変(費用もかかる)
ことになります。やはり、
日本全国に効力が及ぶ「商標権」は、原則、早い者勝ち
だということですね。
その点、商標登録を一切していない場合、他者に先に商標登録されてしまうリスクがさらに大きいと考えられるのは、
「物販(グッズ、マーチャンダイジング)」の範囲
です。なぜでしょうか?
こうした範囲は、イベント等の分野ではない事業者、たとえば「Tシャツ」などであれば、アパレル専業の事業者などが通常、商標権取得を考えていく範囲です。
したがって、「(そのイベント等の名称の商標権を)先取りしてやろう!」というような悪意がある事業者だけでなく、全くそのイベント等の存在をしらないまま、イベント等の名称とバッティングする名称を事業者がネーミングして、商標出願→登録を図るケースも多いということです。
他者がさきに商標登録してしまうと、(ライセンスを受けない限り)その登録商標と類似する商標を付したグッズは、商標権侵害となり、使用差し止め、場合によっては損害賠償を請求されるリスクもありますので、注意が必要です。
では、イベント等の事業者が、物販の範囲で取得しておくべき範囲は、どのようなものがあるでしょうか? 比較的早い段階から商品化されることが多いものとしては、以下などが考えられます:
- 第16類「ステッカー」(※「印刷物」全般が分類)
- 第18類「トートバッグ」(※「かばん類」等が分類)
- 第24類「タオル」(※「布製身の回り品」等が分類)
- 第25類「ティーシャツ」(※「被服」「帽子」等が分類)
物販の範囲で商標登録をしておくメリットも多いです。
まず、安心して製造・販売できるだけでなく、いわゆる「偽グッズ」を発見した場合も、商標権侵害として素早く対応が可能になります。
また、他の事業者から「コラボ商品」のオファーをもらった場合なども、発生した「商標権」のライセンス契約が可能になりますから、コラボ相手も安心して契約できますよね。
さて、イベント等の人気が上がっていけば、さまざまな種類の物販が企画されていくわけで、その範囲(区分)も広く考えていかなければいけないのですが、
この区分は、出願時・登録時に特許庁に納付する費用にも影響を与えます(※指定する区分数が増加するほど、これらの費用も上昇していきます)。弁理士に出願等の手続き代理を依頼する場合の費用は、弁理士(事務所)ごとですが、これも区分数に連動させている事務所は多いので、総額費用のお見積りを確認しつつ、その商品・役務の使用予定と照らし合わせながら、指定する区分の決定することをお勧めします。
さて、本稿も次回で最終回。もっと長い間、イベント名等を未登録のまま使用されているという主催者の皆さまはどうすべきか…
その4【パターン4】でご説明します。
→こちらをクリック https://logoto-r.com/1189/
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