2025.11.21 金曜日

【全国エリア別】ロゴマークの作成→商標登録をセットで進めるベストな方法は!?【2025〜2026最新版】


ロゴマークは、事業者自体、あるいはその商品やサービスの「ブランド」の象徴として、重要な役割を果たします。しかし、デザインの依頼先選びから商標登録までには、多くのステップと注意点があります。

「自社の魅力を一瞬で伝える“顔”となるロゴを作りたい」──そんな思いをお持ちの全国の事業者の皆様へ。

本記事では、ロゴマークの作成を検討されている全国各エリアの事業者の皆様を対象に、デザイン制作から商標登録までの流れをわかりやすく解説します。地域特性や留意点、そして最新トレンドも交えてご紹介します。

1. ロゴデザインに強いデザイナーを探す

地元で信頼できるデザイナーやデザイン事務所を見つける方法

地元エリアでロゴマークのデザイナーやデザイン事務所を探すには、いくつかの有効な手段があります。たとえば「◯◯市 ロゴデザイン」「◯◯区 デザイン事務所」「◯◯町 ロゴ制作」など、地域名を含めたキーワードでインターネット検索をすることで、地元に根ざしたクリエイターを探しやすくなります。

また、Googleマップやローカルのビジネスディレクトリを活用するほか、SNSやクリエイター向けプラットフォーム(例:InstagramやBehance)で、実績や作風を視覚的に確認するのもおすすめです。特にInstagramでは、

#◯◯区デザイン」「#ロゴ制作◯◯市」「#ロゴデザイン◯◯町

などのハッシュタグ検索を活用すると、多様な作例に触れられるでしょう。

地元商工会異業種交流会などを通じた紹介も、信頼度の高い選択肢につながる場合があります。

全国各エリア・各県の特色あるロゴ制作傾向とは?

これはあくまで、当サイトの印象としてお伝えしますが、全国各エリア各県(※東京・首都圏を除きます)のロゴ制作傾向としては、以下のような印象があります(順不同):

<北海道・東北エリア>

  • 北海道:大自然や雄大さを感じさせるモチーフが多く、シンプルかつダイナミックなデザインが好まれる傾向。

  • 青森県:ねぶた祭やりんごなど、地域の色彩や特産を取り入れた、明快で個性あるロゴが目立ちます。

  • 岩手県:南部鉄器などの伝統工芸や自然との調和を意識した、落ち着きと深みのあるデザイン。

  • 宮城県:仙台の都市性と伝統が融合し、現代的ながらも文化的背景をにじませたロゴが見られます。

  • 秋田県:なまはげ、きりたんぽなど地域固有のアイコンを使いながら、温かみや親しみを出す工夫が特徴。

  • 山形県:果物の名産地らしく、やさしさや安心感を表現する柔らかいトーンのロゴが好まれるようです。

  • 福島県:復興や挑戦のメッセージ性を込めたロゴが多く、明るく前向きな印象をもたせたデザインが増加傾向。

<北関東・山梨エリア>

  • 栃木県:日光東照宮や益子焼など、伝統や工芸と結びついた重厚なデザインが好まれる傾向。

  • 群馬県:富岡製糸場、草津温泉といった文化資源に加え、製造業も盛んで「誠実・堅実」な印象のロゴが多い。

  • 茨城県:農業・工業の両立、そしてアート系施設(例:水戸芸術館)もあり、シンプルながら現代的なデザインが見られる。

  • 山梨県:富士山やぶどう、ワインといった自然や食文化を背景に、清涼感・品格・やさしさを持つロゴが多く見られる。

<北陸エリア>

  • 新潟県: 米どころ、雪景色、自然風景などをモチーフにした、清潔感・信頼感のあるロゴ

  • 富山県: 医薬・化学、鋳物産業、立山連峰などを意識した知性・堅実さを感じるデザイン

  • 石川県: 金沢文化、加賀友禅、工芸・伝統美との結びつきを意識した上品なテイスト

  • 福井県: 眼鏡産業、繊維、恐竜・化石などの特色もあり、遊び心やアイデンティティの強い要素を含むロゴ

<東海エリア>

  • 愛知県:産業・商業都市としての側面が強く、明快で視認性に優れたデザインや、企業感・信頼性を意識したロゴが多い

  • 岐阜県:飛騨の木工、郡上踊り、美濃和紙など、伝統や自然との結びつきを感じさせる落ち着いたトーンのロゴが好まれる傾向

  • 三重県:伊勢神宮や松阪牛など、格式と地域性を融合したデザイン。地場産業や観光にちなんだ「地元愛」のあるロゴも多い

  • 静岡県:富士山や茶畑など、自然を取り入れた清潔感あるデザインが目立ちます。都市部ではスタイリッシュな傾向も

  • 長野県:信州ブランドを意識した自然志向・健康志向のロゴが多く、誠実で素朴なデザインが支持される傾向

<関西エリア>

  • 大阪府:にぎやかで目を引く表現、キャッチーで商業性の高いデザインが好まれる傾向

  • 京都府:伝統や美意識を重視した、品格のある和テイストのロゴが多数

  • 兵庫県:神戸を中心に、都市的で洗練されたスタイルが目立ちます

  • 滋賀県:琵琶湖や自然をイメージした、シンプルで誠実なデザインが多い

  • 奈良県:古都の歴史や文化遺産を反映した、落ち着きと信頼感のあるロゴ

  • 和歌山県:海・温泉・みかんなど、地域資源に密着した素朴で親しみやすいデザインが中心

<中国エリア>

  • 鳥取県:梨、砂丘、因州和紙など、自然や地場産業をモチーフにした素朴で親しみやすいデザイン傾向。

  • 島根県:出雲神話、石見銀山など歴史・神話・文化的シンボルが好まれ、伝統性を感じさせるロゴが多い。

  • 岡山県:桃太郎・吉備団子など地域資源を活かしつつ、倉敷美観地区など観光要素もデザインに反映されやすい。

  • 広島県:平和遺産や、もみじ饅頭といった観光資源、野球や音楽文化に絡めた現代的なデザインも多様。

  • 山口県:下関ふぐや萩焼、歴史遺産や日本海の自然景観など、落ち着きと高級感を意識したロゴも見られます。

<四国エリア>

  • 徳島県:阿波踊りや鳴門の渦潮など、躍動感や動きのあるロゴが好まれる傾向があります。

  • 香川県:讃岐うどんなどの名物や「小さくても質の高い」イメージを反映した、洗練されたミニマルなデザイン。

  • 愛媛県:みかんや道後温泉など、親しみや穏やかさを印象づけるような、暖色系や曲線を活かしたロゴが多い印象です。

  • 高知県:よさこい、坂本龍馬、自然の豊かさを象徴とする、ダイナミックかつ自由な発想のデザインが多く見られます。

<九州・沖縄エリア>

  • 福岡県:福岡市のような都市部では、さまざまな事業者が存在するため多様だが、特にスタートアップやIT系事業者中心に、洗練されたシンプルなロゴが多い印象。

  • 佐賀県:有田焼・伊万里焼などの伝統工芸や、農産品をモチーフにしたロゴが多い印象。

  • 長崎県:教会・出島など、異国情緒や歴史をモチーフとした観光・土産物向けロゴが多い印象。

  • 熊本県:「くまモン」に象徴されるような親しみやすいキャラ系ロゴや、地元食材の表現が盛んな印象。

  • 大分県:温泉マークや和風テイストを取り入れた観光地向けロゴが多数ある印象。

  • 宮崎県:太陽・マンゴー・サーフカルチャーなど自然とカルチャーを組み合わせたデザインが人気な印象。

  • 鹿児島県:黒豚・焼酎・桜島など、地域資源を黒ベースのインパクトあるロゴに昇華した事例が豊富な印象。

  • 沖縄県:海、空、太陽、花などの自然や文化を活かしつつ、色彩豊かで開放的なデザインが多く、他地域とは一線を画す個性的なロゴが多数見られます。

いかがでしょうか?上記の内容が、みなさんの頭の中にあるイメージと一致していれば、その地域の「らしさ」を伝えることには成功する可能性が高い一方で、埋没してしまうリスクもあります。だからこそ、印象に残るデザインや、ロゴに含める「文字」の独創性が求められるのです。

生成AIに効果的な質問をする方法

その進化が著しい、生成AI。上手に活用すれば、ロゴデザインに関する情報を効率よく収集できる可能性があります。たとえば、「◯◯市内でロゴデザインに強いデザイナーを教えて」といった具体的な質問をすれば、AIは地域情報に基づいた候補を提案してくれることがあります。また、条件をさらに絞ることで、より適した結果を得ることも可能です。たとえば、「予算◯◯万円以内で提案してくれる◯◯区のデザイン事務所」といった形で入力すると、ニーズに近い情報が出てくることもあります。

ただし、AIが提案する情報はあくまで出発点。候補を絞り込んだあとは、必ず自分で実績・評判を確認するようにしましょう。

2. デザイナーが地元エリア内である必要はあるか?

デザイナーが地元である必要性、メリットを精査する

同じエリア・同じ県(府、道含む。以下同)内でも、県庁所在地等の都市部と、それ以外の地方圏では、デザイン環境に違いがあります。

都市部では、高いスキルと実績を持つデザイナーやデザイン事務所が集まりやすく、「地元での依頼」の利便性やスピード感を活かしやすい環境です。「対面」での綿密な打ち合わせを重ねることで、スムーズにクオリティの高いロゴを完成させている例も多く見られます。

一方で、同じ県内でも、都市部から離れた地域では、希望するテイストのデザイナーが見つかりにくいこともあります。

そのような場合には、東京や大阪など都市部のデザイナーにオンラインで依頼することで、選択肢を広げられます。

また、「全国展開を前提に、あえて地域性を薄めたい」「観光地らしくないブランディングにしたい」という意図がある場合には、他地域のデザイナーに依頼することで、表現の幅を広げたり、地元を離れた外部デザイナーの方ならではの客観的な視点で制作できるというメリットもあります。そこから、海外向けのブランド設計にもつなげられる可能性もありますよね。

Web会議システムを活用した地元エリア外のデザイナーへの依頼

近年では、ZoomGoogle MeetなどのWeb会議ツールを活用すれば、遠方のデザイナーともスムーズに打ち合わせが可能です。北陸エリア内に限らず、全国の優秀なデザイナーに依頼することで、より幅広いスタイルやアイデアを取り入れることができます。たとえば、北海道や東北エリアの観光業者が東京のデザイン事務所に依頼したり、東海や九州エリアの工芸事業者が関西のデザイナーと連携するといったケースも、近年では自然な選択肢です。

また、オンラインでのデザイナーとのやり取りは、デザイン案の共有や修正指示も迅速に行えるため、効率的な面もあります。

デザイナーの選定では、前述の「地元のデザイナー」の利点もふまえながら、デザイナー選定に重要な別のファクター:

「自分の事業のビジョンをしっかり聞いてくれる」
「希望するデザインのテイストが合っている」
「ロゴに関する知財面(商標権・著作権等)への配慮がある」

などの要素も考慮しつつ、地元のエリア外のデザイナーに依頼することも含め、柔軟に検討することが大切ですね。

3. ロゴマークが完成したら、商標登録

商標登録の必要性と基本的な流れ

ロゴマークは企業やブランドのアイデンティティを表す重要な要素です。しかし、商標登録を行わなければ、第三者に同一または類似のデザインを利用されるリスクがあります。

商標登録の基本的な流れは以下の通りです:

  1. 登録希望のロゴが、既存の商標を侵害していないか(登録商標・出願中の商標と類似していないか)を調査
  2. 特許庁へ出願
  3. 審査を経て認められれば、所定の費用を納付することで、商標登録=商標権発生

このプロセスを適切に進めることで、ロゴの独占使用権を確保でき、安心して運用を始めることができます。

また、事業を順調に進めると、ロゴに「ブランド力」が積み重なっていくことになりますが、これを「商標権」(知的財産権の一種です)として、無形資産とすることができます。

商標登録を代理できる「弁理士」を探す方法

商標登録の手続きは専門知識が必要なため、多くの場合「弁理士」に依頼するのが一般的です。

弁理士は、かならず「日本弁理士会」に所属することになりますが、当会にはいくつかの地域会があります。
それぞれ、地元のエリアを管轄する地域会の公式ウェブサイトを活用すると便利です。

「北海道会」
https://jpaa-hokkaido.jp/

「東北会」(青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県)
https://www.jpaa-tohoku.jp/

「北陸会」(新潟県・富山県・石川県・福井県)
https://www.jpaa-hokuriku.jp/

「関東会」(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・群馬県・栃木県・山梨県
https://www.jpaa-kanto.jp/

「東海会」(愛知県・岐阜県・三重県・静岡県・長野県
https://www.jpaa-tokai.jp/

「関西会」(大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県)
https://www.kjpaa.jp/

「中国会」(岡山県・鳥取県・広島県・島根県・山口県)
https://www.jpaa-chugoku.jp/

「四国会」(香川県・徳島県・愛媛県・高知県)
https://jpaa-shikoku.jp/

「九州会」(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県)
https://www.jpaa-kyusyu.jp/

これらのサイトからは、地元で活動する、弁理士事務所や登録弁理士を検索できます。

なお、弁理士が代理する「特許庁への商標登録出願」は、オンラインで行われるのが一般的ですので、北陸エリア外の弁理士でも対応が可能です。また、特許庁に納付する法定費用(印紙代)は全国一律ですが、弁理士費用は自由競争となっています。

4. 上記のプロセスの抱えるリスクがあるか?

完成したロゴマークは、そもそも商標登録できるのか?

ロゴマークが商標登録可能であるかどうかは、作成時点での調査が極めて重要です。すでに登録されている商標と紛らわしいデザインであったり、登録されている文字を含んでいる場合、特許庁に出願した後、審査で拒絶される可能性があります。

しかしながら、デザイナーは原則、商標の登録可能性の調査は行えませんから、デザイン段階で弁理士と連携する必要があるところ、上記のプロセスだと、ロゴデザインと弁理士の業務が分離しているので、この「完成したロゴデザインが、商標登録できないかもしれない」というリスクを、内包することになります。

商標登録できないロゴマークを使い続けるリスク

商標登録が認められないロゴマークを使用し続けることには、重大なリスクがあります。同一又は類似する他者の商標登録が存在するために、自分のロゴマークが登録できないのだとしたら、そのまま使い続けることは、形式的に「商標権侵害」となるためです。
この場合、商標権者から使用差し止めを求められる可能性があり、さらには、損害賠償請求を受ける、またはすでに販売した商品を回収する必要が生じる場合もあるのです。

5. 「ロゴ制作+商標登録」を一括でサポートするサービスもある

“商標”弁理士とデザイナーがタッグを組み、「商標登録できる」ロゴを提供する「ロゴトアール」

東京・九段下にある、ONION商標知的財産事務所(通称「ONION商標」)は、商標とデザインに強みがある弁理士事務所です( http://onion-tmip.net )。

そんなONION商標が、提携するデザイナーとタッグを組んで、全国対応で提供しているサービスが「ロゴトアール」です。
https://logoto-r.com/
デザイナーによるロゴマークの制作段階から弁理士による商標調査を実施することで、「商標登録できる」ロゴマーク案だけをプレゼンテーションするサービスです。

Web会議システムなどを利用し、弁理士と経験豊富なデザイナーが丁寧なヒアリングをし、お客様の想いに寄り添いながら、マーケティング効果やトレンドも加味したロゴマーク案の中から、最終的に選定されたロゴマークは、弁理士によりスムーズに出願まで行われます。

商標登録「前」から、安心して使用できる理由は?

出願前の商標登録可能性の調査をしても、出願までの間に誰かが類似する商標を出願してしまうかもしれない「タイムラグ」が生じます。しかも、すぐに審査結果が出るものではなく、審査着手までは5ヶ月から8ヶ月を要します(※25年10月現在 「商標審査着手状況」 https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/status/cyakusyu.html)。しかし、せっかく完成したロゴマークは、すぐに使い始めたいですよね。

その点、「ロゴトアール」では、①ロゴマーク完成後の出願直前、②最終調査から出願後までの「タイムラグ」の他者出願状況公開後、にも調査をして報告してくれるので、その二段階で「登録への障害がない」ことを確認できれば、登録前でも安心してロゴマークの使用が開始することが可能です。

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全国各エリアの事業者の皆様、それぞれの地域資源・魅力を活かしたロゴを、法的にも安全なかたちで運用できるよう、ぜひ本記事の流れを参考にしてみてください。素敵なロゴマークの作成と、商標登録の成功をされますように祈念しております!