2025.6.21 土曜日
関西エリアでロゴマークの作成→商標登録をするなら、どうすればいい?【2025最新版】
ロゴマークは、事業者自体、あるいはその商品やサービスの「ブランド」の象徴として、重要な役割を果たします。しかし、デザインの依頼先選びから商標登録までには、多くのステップと注意点があります。
本記事では、ロゴマークの作成を検討している、いわゆる関西エリア(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)の事業者の皆様を対象に、デザイン制作から商標登録までの流れを分かりやすく解説します。地域の特性や留意すべきポイント、さらに最新のトレンドも交えてご紹介します。
1. ロゴデザインに強いデザイナーを探す
地元で信頼できるデザイナーやデザイン事務所を見つける方法
関西エリアでロゴマークのデザイナーやデザイン事務所を探すには、いくつかの有効な方法があります。まず、インターネット検索は手軽で効果的です。たとえば「大阪 福島区 ロゴデザイン おすすめ」や「神戸市 デザイン事務所」など、地名を含んだキーワードで検索することで、地域に根ざしたデザイナーが見つかりやすくなります。
また、Googleマップやローカルのビジネスディレクトリも活用するほか、SNSやクリエイター向けプラットフォーム(例:InstagramやBehance)で、実績や作風を視覚的に確認するのもおすすめです。特にInstagramでは、「#京都デザイン」「#ロゴデザイン 滋賀」などのハッシュタグ検索を活用すると、多様な作例に触れられるでしょう。
地元商工会や異業種交流会などを通じた紹介も、信頼度の高い選択肢につながる場合があります。
関西地方各県の特色あるロゴ制作傾向?
これはあくまで、当サイトの印象としてお伝えしますが、関西エリア各県のロゴ制作傾向としては、以下のような印象があります(順不同):
- 大阪府:にぎやかで目を引く表現、キャッチーで商業性の高いデザインが好まれる傾向
- 京都府:伝統や美意識を重視した、品格のある和テイストのロゴが多数
- 兵庫県:神戸を中心に、都市的で洗練されたスタイルが目立ちます
- 滋賀県:琵琶湖や自然をイメージした、シンプルで誠実なデザインが多い
- 奈良県:古都の歴史や文化遺産を反映した、落ち着きと信頼感のあるロゴ
- 和歌山県:海・温泉・みかんなど、地域資源に密着した素朴で親しみやすいデザインが中心
いかがでしょうか?上記の内容が、みなさんの頭の中にあるイメージと一致していれば、その県の「らしさ」を伝えることには成功する可能性が高い一方で、埋没してしまうリスクもあります。だからこそ、印象に残るデザインや、ロゴに含める「文字」の独創性が求められるのです。
生成AIに効果的な質問をする方法
その進化が著しい、生成AI。上手に利用すれば、ロゴデザインに関する情報を効率よく収集できる可能性があります。例えば、「奈良県内でロゴデザインに強いデザイナーを教えて」といった具体的な質問をすると、AIは地域情報に基づいた提案を提供します。また、必要に応じて条件を絞ると、さらに適した結果が得られます。たとえば、「予算30万円以内で提案してくれる和歌山市のデザイン事務所」と入力することで、ターゲットに近い情報を得ることが可能です。
ただし、AIが提案する情報はあくまで出発点。候補を絞り込んだあとは、必ず自分で実績・評判を確認するようにしましょう。
2. デザイナーが関西エリア内である必要はあるか?
デザイナーが地元である必要性、メリットを精査する
関西エリアといっても、大都市圏・都市部と、それ以外の地域では、デザイン環境に明確な違いがあります。
まず都市部では、地元にも高いレベルのデザイナーが多数在籍しており、選択肢が豊富です。お近くのデザイナーであれば、対面打ち合わせのしやすさなどの利点を享受できます。
特に、地域資源を生かしたブランディング、くだけて言えば「関西ならではのテイスト」をロゴに反映させたい場合、地元デザイナーは理解も深く、コミュニケーションも取りやすいため、大きなメリットがあるでしょう。
一方で、関西エリアといっても、広いですよね。そんな中、都市部から離れた地域では、希望するテイストのデザイナーが地元に見つかりにくい場合もあります。このような場合は、オンラインで大阪や他地域のデザイナーに依頼することも現実的な選択肢です。
また、都市部の事業者でも、「あえて関西っぽさを出したくない」「全国展開を見据えてフラットな印象のロゴにしたい」という場合には、東京など他地域のデザイナーに依頼することで、表現の幅を広げたり、あえて地域性を薄めた全国向け・海外向けのブランド設計にもつなげられる可能性があります。
Web会議システムを活用した関西エリア外のデザイナーへの依頼
近年では、ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールを活用すれば、遠方のデザイナーともスムーズに打ち合わせが可能です。関西エリア内に限らず、全国の優秀なデザイナーに依頼することで、より幅広いスタイルやアイデアを取り入れることができます。たとえば、京都の事業者が東京のデザイナーに依頼したり、和歌山県の事業者が九州のデザイン事務所とやり取りすることも、いまや自然な選択肢です。
また、オンラインでのデザイナーとのやり取りは、デザイン案の共有や修正指示も迅速に行えるため、効率的な面もあります。
デザイナーの選定では、前述の関西エリア内/地元のデザイナーの利点もふまえながら、デザイナー選定に重要な別のファクター
「自分の事業のビジョンをしっかり聞いてくれる」
「希望するデザインのテイストが合っている」などの要素も考慮しつつ、関西エリア外のデザイナーに依頼することも含め、柔軟に検討することが大切ですね。
3. ロゴマークが完成したら、商標登録
商標登録の必要性と基本的な流れ
ロゴマークは企業やブランドのアイデンティティを表す重要な要素です。しかし、商標登録を行わなければ、第三者に同一または類似のデザインを利用されるリスクがあります。
商標登録の基本的な流れは以下の通りです:
- 登録希望のロゴが、既存の商標を侵害していないか(登録商標・出願中の商標と類似していないか)を調査
- 特許庁へ出願
- 審査を経て認められれば、所定の費用を納付することで、商標登録=商標権発生
このプロセスを適切に進めることで、ロゴの独占使用権を確保でき、安心して運用を始めることができます。
また、事業を順調に進めると、ロゴに「ブランド力」が積み重なっていくことになりますが、これを「商標権」(知的財産権の一種です)として、無形資産とすることができます。
商標登録を代理できる「弁理士」を探す方法
商標登録の手続きは専門知識が必要なため、多くの場合「弁理士」に依頼するのが一般的です。
関西エリアで弁理士を探す場合は、「日本弁理士会 関西会」の公式ウェブサイトを活用すると便利です。
https://www.kjpaa.jp/
このサイトでは、関西エリアの計2府4県で活動する、弁理士事務所や登録弁理士を検索できます。
さらに、各地区会に絞って情報を得ることもできます。
https://www.kjpaa.jp/aboutus/district
なお、弁理士が代理する「特許庁への商標登録出願」は、オンラインで行われるのが一般的ですので、関西エリア外の弁理士でも対応が可能です。また、特許庁に納付する法定費用(印紙代)は全国一律ですが、弁理士費用は自由競争となっています。
4. 上記のプロセスの抱えるリスクがあるか?
完成したロゴマークは、そもそも商標登録できるのか?
ロゴマークが商標登録可能であるかどうかは、作成時点での調査が極めて重要です。すでに登録されている商標と紛らわしいデザインであったり、登録されている文字を含んでいる場合、特許庁に出願した後、審査で拒絶される可能性があります。
しかしながら、デザイナーは原則、商標の登録可能性の調査は行えませんから、デザイン段階で弁理士と連携する必要があるところ、上記のプロセスだと、ロゴデザインと弁理士の業務が分離しているので、この「完成したロゴデザインが、商標登録できないかもしれない」というリスクを、内包することになります。
商標登録できないロゴマークを使い続けるリスク
商標登録が認められないロゴマークを使用し続けることには、重大なリスクがあります。同一又は類似する他者の商標登録が存在するために、自分のロゴマークが登録できないのだとしたら、そのまま使い続けることは、形式的に「商標権侵害」となるためです。
この場合、商標権者から使用差し止めを求められる可能性があり、さらには、損害賠償請求を受ける、またはすでに販売した商品を回収する必要が生じる場合もあるのです。
5. 「ロゴ制作+商標登録」を一括でサポートするサービスもある
“商標”弁理士とデザイナーがタッグを組み、「商標登録できる」ロゴを提供する「ロゴトアール」
東京・九段下にある、ONION商標知的財産事務所(通称「ONION商標」)は、商標とデザインに強みがある弁理士事務所です( http://onion-tmip.net )。
そんなONION商標が、提携するデザイナーとタッグを組んで、全国対応で提供しているサービスが「ロゴトアール」です。
https://logoto-r.com/
デザイナーによるロゴマークの制作段階から弁理士による商標調査を実施することで、「商標登録できる」ロゴマーク案だけをプレゼンテーションするサービスです。
Web会議システムなどを利用し、弁理士と経験豊富なデザイナーが丁寧なヒアリングをし、お客様の想いに寄り添いながら、マーケティング効果やトレンドも加味したロゴマーク案の中から、最終的に選定されたロゴマークは、弁理士によりスムーズに出願まで行われます。
商標登録「前」から、安心して使用できる理由は?
出願前の商標登録可能性の調査をしても、出願までの間に誰かが類似する商標を出願してしまうかもしれない「タイムラグ」が生じます。しかも、すぐに審査結果が出るものではなく、審査着手までは6ヶ月から9ヶ月を要します(※24年10月現在 「商標審査着手状況」 https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/status/cyakusyu.html)。しかし、せっかく完成したロゴマークは、すぐに使い始めたいですよね。
その点、「ロゴトアール」では、①ロゴマーク完成後の出願直前、②最終調査から出願後までの「タイムラグ」の他者出願状況公開後、にも調査をして報告してくれるので、その二段階で「登録への障害がない」ことを確認できれば、登録前でも安心してロゴマークの使用が開始することが可能です。
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関西エリアの事業者の皆様、それぞれの地域資源・魅力を活かしたロゴを、法的にも安全なかたちで運用できるよう、ぜひ本記事の流れを参考にしてみてください。素敵なロゴマークの作成と、商標登録の成功をされますように祈念しております!
【おまけ】「ロゴトアール」を運営するONION商標と提携する「ENTiP」弁理士による、関西万博に関するコラムです。
「EXPO2025(大阪・関西万博)に「直前決定」「事前知識ほぼゼロ」で行ってみた弁理士・行政書士のはなし」
https://entip.jp/topics/396/