2022.3.25 金曜日
【レーベル・ロゴの世界】第6回「DEATH ROW (RECORDS)」
ロゴマークを愛し、音楽を愛する弁理士による、世界のレコード会社・レコードレーベルのロゴマークへの、片思い的リスペクトを込めてご紹介する連載です。
その第6回は、ヒップホップ、それも90年代から00年代前半のそれが好きな方であれば懐かしいであろう、このレーベルのロゴマークを取り上げたいと思います。
登録5354546号
ロサンゼルスを本拠として、1991年に立ち上げられた「DEATH ROW(RECORDS)」のロゴマークです。
こちらを取り上げようと思ったのは、(ちょっと間があいてしまいましたが、)去る2月14日(※日本時間)に行われた、全米が1年間で最も注目するスポーツ・イベントのハーフタイムショウで、その創始者の1人と仲間たちによって繰り広げられてパフォーマンスが、あまりに素晴らしかったからです…
そう、そのイベントとは、もちろん、アメリカで最も人気を博するプロスポーツであるアメリカン・フットボールのリーグ「NFL」の頂上決戦「NFLスーパーボウル」。その前半と後半の間に行われる「ハーフタイムショウ」は、今回が第56回だったわけですが、史上初の「ヒップホップ・アクト」によるパフォーマンスだったのです。
まぁ、つべこべ言わず、この動画を見て感動してくださいよ、ということなのですが、
https://www.youtube.com/watch?v=gdsUKphmB3Y
これを仕切ったのが、ドクター・ドレー(Dr.Dre)であり、彼が(シュグ・ナイトと共に)設立し、今回出演したアーティストも多く所属していたレーベルこそ、「DEATH ROW」だったんですね。92年の彼自身の作品『The Chronic』、スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)の『Doggystyle』(93年)、そしてこの夜も鳴り響いた名曲”California Love”を含む、今は亡き2パックの『All Eyez On Me』(96年)といった、メガヒット・アルバムで一斉を風靡しました。
また、単に1アーティスト、レーベル・オーナーという以上に、西海岸のヒップホップ・シーンの顔役でもあるドレーだからこそ、50セント、メアリー・J・ブライジ、ケンドリック・ラマーといった”メンツ”を結集させることができたのでしょう。
そして、登場したのが、エミネムです。2003年には自ら主演した映画『8マイル』のサントラが、全米はもとより、ここ日本でもオリコン週間アルバム・ランキング1位(※洋楽ランキングじゃないですよ、邦楽も含めた総合ランキングです)を獲得したスターですね。
エミネムは演奏後、膝をつくパフォーマンスをしました。2016年、NFLの黒人選手たちの一部が、有色人種への差別に抗議するために国歌斉唱で起立することを拒否してとったもので、「Black Lives Matter」運動の象徴的なシーンとなったポーズを、この大舞台であらためて行ったのです。
Eminem kneels during the halftime performance, after NFL officials reportedly shut down the idea #SuperBowl https://t.co/sHMyZB1FuW pic.twitter.com/UigAAEqemu
— philip lewis (@Phil_Lewis_) February 14, 2022
◎「エミネムがスーパーボウルで見せた“片膝をつくパフォーマンス”が話題に」(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/entertainment/photonews/photonews_nsInc_202202150000091-1.html
事前に、NFLからは、そのようなパフォーマンスはしないように勧告していたそうなのですが、そんなことはお構いなし、でした。しかし、自身のアティチュードを貫き、恐れることなく表現する。これは、エミネムのみならず、ヒップホップの存在理由、ヒップホップがヒップホップたる所以なのかもしれません。
そもそも、今回彼らのブッキングに関しては、紆余曲折、反対意見もあったらしいんですね。しかし、それをねじ伏せたのが、ドクター・ドレーに引けをとらない大物であり、ビヨンセの旦那としても知られるジェイ・Z(Jay Z)です。
彼が運営するロック・ネイション社は、NFLとパートナーシップ契約を結んで、エンタメ関係のコンサルタント業務を行なっているそうなんですが、反対意見に対し、
『そんなのクソ食らえ。彼らはパフォーマンスする。さもなくば、俺が降りる』
と言い切って、実現させたそうなのです。
◎「実は関係者を「脅し」ていた!スヌープお墨付きの「ギャングスタ」ジェイ・Zがスーパーボウル舞台裏でしたことがカッコ良すぎた」(FRONTROW)
https://front-row.jp/_ct/17524283
あらためて、ヒップホップの本質、そしてジャンルとしての歴史的価値を示してくれた今回のハーフタイムショウでした。
さて、最後にまたレーベルの話で締めましょう。2006年には破産してしまったDeath Row。その後、権利は転売されていたのですが、この2月、スヌープ・ドッグが、大部分の権利を買い戻したそうなのです。
◎「スヌープ・ドッグがデス・ロウ・レコードのオーナーになったと発表」(HIPHOPDNA)
https://hiphopdna.jp/news/16948
今回のパフォーマンスでも、スヌープは、Death Rowのロゴをモチーフにしたデカいネックレスを首から下げていたのですが、よく見るとかつてのロゴとは少し異なるようにも見えます。
◎「Snoop Dogg が NFL スーパーボウルのハーフタイムショーで Death Row Records の特注ネックレスを着用」
https://hypebeast.com/jp/2022/2/snoop-dogg-death-row-records-new-chain-super-bowl-lvi-debut-cloesr-look
Ice cold in LA @SnoopDogg pic.twitter.com/OfcE7b26IH
— FaZe Clan (@FaZeClan) February 14, 2022
たしかに、椅子に座っているのが、犬になってる??今後、この新ロゴマークが、日本でも商標登録される日が来るかもしれませんね。
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