2021.8.4 水曜日
【レーベル・ロゴの世界】第2回「Rough Trade」
ロゴマークを愛し、音楽を愛する弁理士による、世界のレコード会社・レコードレーベルのロゴマークへの、片思い的リスペクトを込めてご紹介する連載です。
その第2回は、前回に比べるとグッとマニアックかもしれません。しかし、ONION商標の弁理士たちが愛してやまないオルタナティヴ/インディー・ロックの世界では、知らなきゃモグリといわれるほど重要なレーベルになります。
「ラフ・トレード」です。イギリスはロンドンで、ジェフ・トラヴィスにより、同名のレコードショップを母体として1978年に創設されました。ポストパンクの時代に、ユニークなアーティストを数多く輩出して脚光を浴びますが、特に日本でも多くのファンを有するアーティストといえば、こちらでしょうか。
The Smiths(ザ・スミス)ですね。独特な世界観や、唯一無二の音楽性で高い評価を得て、80年代中盤には『Meat Is Murder』や『Queen Is Dead』といった刺激的なタイトルのアルバムで、全英1位を獲得しています。
70年代後半から80年代前半にかけて、インディ(Independent。独立した)・レーベルを立ち上げるということは、いわゆるメジャー・レーベルが契約したがるメインストリームの音楽にも、素晴らしい音楽があり、それらをどうしても世の中に紹介していきたいという、強い意志を持つ人達によってなされた行為です。その延長線上として、ラフ・トレードは、独自のレコード配給網も構築していきますが、その部門の負担が大きくなり、一度は倒産を余儀なくされます。しかし、ジェフ・トラヴィスの音楽への情熱は、このレーベルをこのまま終わらせることはありませんでした。
ジェフ・トラヴィスの、才能あふれるアーティストを発掘し、素晴らしい作品づくりを後押しするA&R(Artist & Repertoire)としての能力は傑出しており、メジャーのWarner内のレーベル「Blanco Y Negro」等のA&Rとして活躍し続けた結果、2000年代に入ってレーベルとしてのラフ・トレードの復活に成功します。
この時代には、アメリカのアーティストですが、イギリスでの配給権を獲得して、後に世界的人気となったThe Strokes(ザ・ストロークス)や、
レーベルの本拠地であるロンドンならではのロック・バンドとして、その奔放な言動と共に人気となったThe Libertines(ザ・リバティーンズ)、
すでに他のインディ・レーベルで活躍し、世界各国で熱心なファンを獲得していたところ、ラフ・トレードに移籍してきたスコットランドのBelle & Sebastian(ベル・アンド・セバスチャン)
…など、重要なアーティストを続々と紹介し、ロック史における同レーベルの重要性を、さらに高めることとなりました。
ところで、同名のレコード・ショップは、いまだにイギリスに4店舗(うちロンドンに2店舗)、アメリカはNYCに1店舗あります。取り扱うフォーマットは、当初はレコードだったものが、CDがメインとなり、時を経てまたレコードが主流となっていますね。
https://blog.roughtrade.com/stores/
特に、East Londonにあるショップは大きく、中にカフェも併設されていたり、ライヴ・イベントも頻繁に開かれます。また海外旅行が気兼ねなくできる時代がきて、ロンドンに行かれることがあったら、ロックが好きな方もそれほどでもない方でも、ぜひ訪れてみてください。老若男女、音楽好きな人達が集まってくる空間は、やはりいいものですよ。
https://www.instagram.com/roughtradeeast/
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