2021.8.4 水曜日

商標登録するブランドは、1つでいいの?(ハウス マーク/ペット ネーム)


社名や社標(ロゴマーク)を商標登録されたお客様から、「これ(登録商標)を商品に付けておけば、あとはその他のネーミングやマークを自由に追加しても、大丈夫ですよね?」と、ご相談をいただくことがございます。

こうしたご相談には、「パッケージを見せていただかない限り、なんとも言えませんが、一般論としては『大変危険な状態』です」と回答させていただいています。

これはどういうことでしょうか?せっかく商標登録をして、その際に指定した商品に商標をつけているのに、まだリスクがあるというのでしょうか?

いえ、登録商標をそのように使用されることは、全く問題ございません。というより、まさにそのように貴社の商標を安全して使用する、ブランド力を積み重ねていくために、商標登録をされたのですから。ここで「危険」というのは、「その他のネーミングやマークを追加する」という点です。

ここで、商標の定義をもう一度考えてみましょう。ざっくりいえば、「文字・図形等からなる標章(マーク)であって、商品やサービスに付いているもの」を商標といいます。

つまり、自分の登録商標以外にも、商品の目印となりうるようなネーミングやマークを付けていたら、それは「商標(としての使用)」です。それらについては、商標登録しましたか?もし、していなければ…

…それはもしかして第三者が既に登録している商標かもしれない…つまり、商標権侵害をしてしまっているかもしれないという点で、冒頭に申し上げた「危険な状態」なのです。

ところで、そもそも、なんで登録した社標等以外に、別のロゴマーク等をつけたいと思うのでしょうか?その説明には、「ハウスマーク」「ペットネーム」という理解が必要になってきます…

たとえば、味噌を作っている老舗の会社が、会社の社標や屋号を商標登録したら、それさえ商品に付しておけば、あとは「製品:味噌」という文字だけで(マーケティング的には)足りるでしょう(また、この「味噌」という文字は、商品自体を、その普通名称で説明しているだけで、商品の目印とはならないため、商標とはいえません)。

一方、一社が複数の商品を出している場合は、社名や社標以外に、「商品」単位で覚えやすいネーミングやロゴマークを、さらに商品が拡充すれば商品群ごとの「ブランド/シリーズ」ごとのネーミングやロゴマークをつけて、顧客に覚えてもらう、人気を高めていく…というのは、マーケティング/ブランド戦略としてよくあるものでしょう。

そこで、商標の世界では、ブランド名、商品名というような階層について、
・社名や社標を 「ハウスマーク」 と呼び
・個々の商品・役務名については 「ペットネーム」と呼んでいます。
(さらに、”シリーズ化されている商品・サービスのグループについてはを「ファミリーネーム」と区別することもあります)

たとえば、
・「APPLE」という社名や、その「りんごをモチーフにしたロゴマーク」はハウスマーク、
・個々の商品名:「iMac」、「Macbook」「iPad」などは、ペットネーム
ということになります。

もっとも、これらの分類は、あくまでマーケティング/ブランド戦略上の用語であり、ハウスマークであれ、ペットネームであれ、「商標」であることにかわりはありません。それらネーミングやロゴマークの独占的な使用権原を確保するためには「商標登録」をする必要がある、ということです。

また、商標登録しようとすれば、そこで登録可能性の調査もしますから、そのネーミング案やロゴ案が、(仮に他者により登録されていて)商標権侵害とならないか、事前回避もできることになりますよね。

また、仮に他者が商標登録していなくても、よほど著名にならない限り、その権利は保護されませんし、それらに積み重なるブランド価値を保護したいのであれば、やはり商標登録により「商標権」を取得することが必要となります。

ハウスマークとイメージ的に齟齬のないペットネーム、そして、ペットネームの中でも拡張性の高いファミリーネームなど、ネーミング的にもロゴマークのデザインの観点からも、やはり優れたデザイナーと弁理士のアドバイスは必須です。そのどちらの観点からも最良のロゴマークを作成し、商標登録に導く「ロゴトアール」に、ぜひご注目ください。