2024.3.21 木曜日

【そのお仕事に必要な商標は「コレ」です】コーヒースタンドを創業する人がとるべき商標とは?【商標登録】


コーヒー、美味しいですよね。「コーヒー豆を挽いて、自分で入れる」というルーティンが、仕事開始の合図になっている方は、多いのではないでしょうか。(「ロゴトアール」提供の ONION商標 所長弁理士も、その一人です)。

もちろん、外出先でもコーヒーは欠かせません。チェーン店の安定したクオリティと場所の便利さ、「コンビニコーヒー」の価格のリーズナブルさと向上し続けるクオリティにも、日頃からお世話になっていますが、

ふと訪れた場所で、「そこにしかない」コーヒースタンドを見つけたときの嬉しさもありますよね。

そして、店主のアドバイスに勧められた一杯と恋に落ちたら、おもわずそちらの「豆も」購入して帰ったり…帰路ではもう考えているんです、その豆を挽いて飲む翌朝のことを。

こんな幸せをもたらしてくれる、独立系のコーヒースタンド/テイクアウトカフェ、そしてロースタリー(roastery、焙煎所)が増えているのは、コーヒー好きにはたまりません。

ということで、新たに生まれるコーヒーのブランドも多いと思うのですが、新規に創業される方であれば、その初期費用の中に必ず「商標登録(商標権の取得)費用」を折りこんでいただきたいと思います。以下を読んでいただければ、その重要性がおわかりいただけると思います。

①なぜ、コーヒー関連のショップを始めるのに、商標登録がマストなのか

コーヒーに限らず、商品やサービスにつける”目印”は、商標登録をすべきなのですが、それは弊所所長が書いたこちらを読んでいただくとして、

【知財キホンのキ】年末にあらためて考えるー商標登録の意義とは? “攻め”と”守り”の観点から、弁理士が解説します
http://onion-tmip.net/update/?p=489

ポイントをお伝えすると、

*思いをこめてつけた、自身の「コーヒー(豆)の銘柄・コーヒースタンドの名称」を、独占的に使用するためには、商標登録をしておかなければならない。

商標権を取得するのに、会社か個人か、会社の大小は問われません。先に商標権を取得しておけば、どんなに大きな会社にも対抗できます。そして、

*コーヒー(豆)やお店の評判が上がっていくことで、その銘柄に積み重なっていく「ブランド力」を、会社の(無形)資産とするためには、商標登録により「商標権」を取得しておくしかない。

ということなのです。

②コーヒー関連で、商標登録をすべきは商品名?ロゴ?デザイン?

では、コーヒーの銘柄の、”目印”として機能するのって、どの部分でしょう?

*想いを込めてつけた、ブランド名(文字)でしょう →文字は商標登録の対象です。
*かっこいいロゴマークがあるんです →図形も商標登録の対象です。
*いや、ラベル/パッケージ全体がかっこいいんだよね →パッケージも図形と考え得れば、商標登録の対象になり得ます…

「えっ、3つも商標登録しなければいけないの?」と思われるかもしれませんが、優先順位の高いのは、ブランド名(文字)か、ロゴマークです。

さらにその2つのうち、、ロゴマークの中にブランド名が含まれているなら、ロゴマークの登録がまず優先になるかと思いますし、「名前は決まっているが、まだロゴマークはできていない」というような場合は、文字(※標準文字)での登録を優先させてください。

③コーヒー関連の商標登録で、指定すべき「区分」とは?

商標登録出願は、その商標を(”目印”として)使用する商品・サービスを指定して出願します。そして、登録が認められた場合は、その指定した範囲で商標権が発生します。

そして、世の中の商品やサービス(※役務、といいます)は、45種類(第1類〜第45類)の「区分」に分類されています。

まず、コーヒースタンド/テイクアウトカフェが販売する「商品」とはなんでしょう? 当然「コーヒー」ですよね。それでは、指定商品「コーヒー」は第何類か探してみると…

第30類 に分類されています。

ちなみに「エスプレッソコーヒー」とか「ミルクコーヒー」とか、「コーヒー飲料(※)」も同じ第30類です。
(※コーヒーをベースにした飲料のこと。ちなみに、指定商品「コーヒー風味の飲料(アルコール分を含まないもの)」は第32類)。

では、指定商品「コーヒー豆」はどうでしょう? こちらも

第30類 に分類されています。

が、表現はもう少し細かくて、

・指定商品「コーヒー豆(生のもの)」(※unroasted、ということです)、とか
指定商品「焙煎したコーヒー豆」(※roasted、ですね) となっています。

それから、本当に、そのブランドを使うのが「コーヒー」「コーヒー豆」という商品だけなら、第30類だけでいいのですが)、気をつけなければいけないのは、
コーヒー(豆)”以外”の商品や役務にも、その商標を使用する場合です。

たとえば、コーヒーに合う「洋菓子」「クッキー」も作って、同じブランドで販売する場合はどうでしょう。これらの指定商品は、同じ

第30類 に分類されています。

同じ区分内であれば、指定商品はいくつでも記載できます(※一定数を超えると、使用意思に関する書類を求められますが)。しかし、

「ちょっと座れる椅子とテーブルを店内に置いて、そこでも直接コーヒーを飲めるようにしたい(イートイン・スペース)、そして
「そのお店の名前・看板としても、コーヒー・コーヒー豆と同じブランド(商標)を使用したい」

という場合は、区分が異なって

第43類 「飲食物の提供」

という区分・指定役務も指定する必要があります。もし、コーヒー(豆)の名前としては他者と被っていなくても、同じ名前をどこかのレストラン(※まさに「飲食物の提供」というサービスをする事業者ですよね)が、その名前を商標登録しているかもしれませんので、注意が必要です。

他にも、最近は、非常にスタイリッシュなコーヒー(豆)のロゴが多く、それらを使用したマーチャンダイジング(グッズ、物販)が製造販売されるケースも多く見受けられます。この場合は、それぞれの商品の範囲を指定する必要があります。たとえば、

第14類 「キーホルダー」「貴金属製バッジ」

第18類 「トートバッグ」

第21類 「マグカップ」

などが考えられますね。

また、「オリジナル・ブランドの商品じゃないけど、いわゆるコーヒーグッズ(コーヒーミル、フィルターペーパー、ドリッパー、ポット etc.)を仕入れて売りたい」というような場合は、

第35類 小売等役務

  (指定役務「◯◯(※商品名)の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」

を指定する必要があります。これは、さまざまなブランドの商品を扱うショップが指定すべき区分・指定役務となります。

なお、この区分は、特許庁に出願時・登録時に納付する費用にも影響を与えます(※区分数が増加するほど、これらの費用も上昇していきます)。弁理士に出願等の手続き代理を依頼する場合の費用は、弁理士(事務所)ごとですが、これも区分数に連動させている事務所は多いので、総額費用のお見積りを確認しつつ、その商品・役務の使用予定と照らし合わせながら、指定する区分の決定することをお勧めします。

④誰も登録できない商標・特定の人だけが登録できる商標

商標登録の原則は「早い者勝ち」です。もう少し詳しくいえば、③で説明した「指定商品・指定役務」が重複する範囲で、せっかく自分で思いついたブランド名と、同一か類似の商標を、他人が既に出願(→登録)していれば、商標登録は受けられません。

ただ、世の中には「誰もまだ登録していない」のではなくて、「誰に対しても登録が認められない」商標というものがあります。そのポイントは、その商標に”目印”となる力(「識別力」、といいます)があるかどうか。つまり、他人の商品等と、しっかり区別することができるか、という点です。

たとえば、極端な例で言えば、「指定商品『コーヒー』について、商標『コーヒー』とか、『COFFEE』を登録したい」と思っても、指定商品の一般名称・普通名称が「コーヒー」なわけですから、他人の商品と区別する識別力がありません。こういう商標は、誰にも登録が認められないわけです(※誰か一人に独占させるのはよくない、という観点もあります)。

このような識別力のない商標を「記述的商標」と呼んだりします。他にも、「エスプレッソ」とか、「ホットコーヒー」というように、コーヒーの「品質」などをただ説明しただけの文字商標は、誰にも登録が認められません。

その点、「産地・販売地名+コーヒー」(例:指定商品「コーヒー」について、商標「九段下コーヒー」)の商標も、記述的商標として認められないのが原則なのですが、

◎「地域団体商標」という制度があり、特定の組合や、商工会、商工会議所、NPO法人等が、その会員に使用させるために、地域ブランドとして出願する場合、登録が認められ得ます。

https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/t_dantai_syouhyo.html

また、個人や一般企業には「地域団体商標制度」は利用できないのですが、そういう方々にはこちらの方法があります。

◎識別力のない文字に、ロゴマーク(※一般的には、図形には識別力が認められます)を加えれば、記述的商標とはならずに、登録できる可能性が出てきます。

なお、ロゴマークで商標登録できた場合でも、そこに含まれる「識別力のない文字」の使用について、独占することはできません。しかし、それでも、そのような文字をブランドとして使っていきたいというかたは、ロゴマーク化をご検討ください。

⑤コーヒー関連ビジネスの商標登録をすべきなのは、どのタイミングか?

「最初はこじんまりと始めますんで、人気が出てきたら商標登録考えます…」というのが、一番危険なパターンです。前述のとおり、商標登録の大原則は「早い者勝ち」ですから、後回しにしておくと、他の人に先に出願→登録されてしまうかもしれません(そうなったら、あなたの商標は、登録できないことになってしまいます)。

もっといえば、商標登録をせずに商品を発売してしまった後になって、実は自分の銘柄が、他の人が登録していた商標と同じ又は似ていた場合、その人の「商標権侵害」となってしまいます。想いを込めて名付けた銘柄を、変更しなければいけなくなれば、精神的な痛みだえけでなく、マーケティング/経済的な痛み(パッケージ、看板、名刺、ウェブサイト等の変更…最悪、損害賠償も)も伴います。

なお、②とも関連する話ですが、ロゴマークに文字(商品のブランド名)が含まれている場合、「ロゴの図形は類似ではないんだけども、文字が同一又は類似である商標」も、類似と判断される可能性が高いです。
ということは、先に他人によって(コーヒーと類似する商品の範囲で)同じブランド名(文字)が先に出願されていたら(※いわゆる先願です)、あなたのロゴマークは先願との類似を理由に拒絶され、登録ができない可能性が高くなります。

「これで行きたい!」という銘柄の第一希望案が決まったら、それで具体的な製作に走り出す前に、ぜひ商標登録に向けて、登録可能性の調査から始めてください。
特に、ロゴマークに商品のブランド名を含める場合、そのデザインをし始める前に、そのブランド名(文字)の登録可能性を調査する必要があることにご注意ください。

逆に言えば、もし、すでにコーヒー(豆)を販売し始め、軌道にのっている、すなわち

「コーヒーの人気が出てきたな、コーヒーにブランド力がついてきたな」と感じているのに、まだ商標登録出願をされていないという方。

もう”待ったなし”です。大至急、商標登録出願に向けて、”商標に強い”弁理士にご相談ください。

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