2021.6.22 火曜日

外部デザイナーに作成依頼したロゴマークは、商標登録してもいい?


世の中には、商標登録されずに使用されている商標はたくさんあります。もちろん、登録せずに商標を使用することは法的に問題はないのですが、これは大きなリスクを抱えたままの使用となります。まず、「商標権侵害」を抱えているかもしれないリスク(侵害していないから問題になっていないのか、たまたま商標権者から権利行使されていないのかは、調査してみないことにはわかりません)がありますし、現在は登録可能性があるのに、先に他者に出願・登録されてしまうかもしれないというリスクもありますよね。

私達としては、そのようなケースに出会えば、商標登録の必要性(※他にも、リスクと裏返しの、商標登録の「メリット」もたくさんありますから)をご説明するのですが、いろいろなご事情やお考えから、「商標登録は(今は)しないでおく」というご判断もございます。

その中で、「商標登録したほうがいいのはわかるけど、ロゴマークを作成した人に了解を得ていないから、(今は)できない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。本当にそれは問題になるのでしょうか? 実は、同じ特許庁に手続きをする、「特許」や「意匠」と比較して、異なる部分が「商標」にはあるのです。

商標と同じ弁理士の範疇であり、特許庁に手続をした結果発生する「特許(権)」の場合、出願して特許権を得るインセンティブ(法的には「特許を受ける権利」といいます)は、対象となる発明を「発明した人」だけに与えられます。その発明者以外が出願しても、冒認出願といって、最終的には発明者が権利を取り戻すことができるよう、法整備がなされています。

また、デザインを保護する「意匠権」についても同様で、その意匠を「創作」した人だけが、意匠登録を受ける権利を有することになります。もし、発明者や意匠創作者以外が、特許権や意匠権を「正規」に受けたい場合は、先述の「特許を受ける権利」「意匠登録を受ける権利」を譲渡してもらう必要があるのです。

一方、商標権(商標登録)を得るのに、その商標たる文字や、図形・記号(ロゴマーク等ですね)を創作した人には、「商標登録を受ける権利」?のようなインセンティブは与えられません。どんなに気の利いたネーミングを思いついた人でも、どんなにクールなロゴマークを創作した人でも、その人にしか商標登録をできないというようなことは、ないのです。

(だからこそ、全く関係のない第三社に、商標を剽窃的に出願されてしまうケースもありうるのです….)

(参考)【本当はコワイ商標の話】知らない間に、自分の商標が他人に出願されてる?厄介な「剽窃的な出願」(ONION商標)
https://onion-tmip.net/update/?p=522

したがって、第三者である外部デザイナー等にデザインしてもらったロゴマークだとしても、そのロゴマークを実際に商標として使用している方が、商標登録出願をすることはなんら問題がありません。少なくとも、デザイナーに一言、「商標登録出願しますね」と言っておくこと自体は、ビジネスマナーとして素晴らしいと思いますが、そのデザイナーに「商標出願NG」と言われる筋合いはないのです。

むしろ、デザイナーとちゃんとしておかなければいけない権利は、「著作権」ですね。ロゴマークがイラストに近く、「美術の著作物」に該当するような場合は、その著作物の著作者であるデザイナーに、著作権が発生しています(※著作権は、手続き不要で、創作すれば発生しますからね)。ただ、自分が使用するために依頼して作成してもらったものであれば、ただロゴデータの納品を受けるだけではなく、その権利について一筆取り交わしておくべきでしょう。

ところで、ロゴマーク+商標登録一括サービス「ロゴトアール」では、お申込みいただいて創作されたロゴマークについては、商標登録についてデザイナーとの関係を心配する必要はありませんし、そのロゴマークに著作権が発生する場合でもお客様に譲渡され、(譲渡ができない)著作者人格権についても、不行使特約を結びますので、安心して権利化・使用いただくことができます。我々としては当たり前なのですが、大事なポイントですよね。